書評者と著者と読者の本屋「松原商會」@PASSAGE by ALL REVIEWS のBlog

社会経済学者・松原隆一郎(放送大学教授、東京大学名誉教授)と丁稚が営む、書評と書評された本と読者をつなぐ一棚書店

#7 謎の人物「小日向よしお」あらわる

松原商會が開店して一ケ月程たった2022年4月。そのころ松原商會は、「経済学を学び始める君へ 松原隆一郎より」という、會長の柄でもないまじめなテーマで會長の経済学関係の著書を売っていました。

そんなある日、「小日向よしお」を名乗る謎の人物から、次のようなリクエストが届いたのです。

 

3月のテーマ本が売れないまま並んでる棚に、POPだけ4月仕様の松原商會。

すでに、『頼介伝』の関連本や、レアな會長著書まで買ってくださっているようす。

それも、はるばる関西から東京・神保町にいらしてくださって。

そして、あの分厚い『経済思想入門』(ちくま学芸文庫)をご所望 !?

誰!? 怖い!! 誰!?

慣れない事態にどよめく會長&丁稚。

松原商會で続けて買ってくださってるなんて、不気味!

でも……うれしい。……でも、怖い~。

またも、「小日向よしお」あらわる

それから数日後。またもや謎の「小日向さん」が現れました。

そんなに『経済思想入門』、ほしい?

もう……誰??

會長と丁稚はおろおろ。敵対学者の手先?ストーカー?

丁稚「會長、この「小日向さん」って、誰か思い当たりますか?松原商會をこんなにご愛顧くださるなんて変です。何か裏があるはず。會長、人の恨みをかったとか、會長をすごく嫌ってる人とか、奇特なストーカーとか、思い当たることありませんか?」

會長「うーむ……(動揺して言葉が出ない會長)。」

「売れたい!人気店になりたい!」と、わめいていた松原商會ですが、まさか本当に人気店になるかもなんて想像したことなかったので、こんなに買っていただけてどうしていいかわからない會長と丁稚。

このときは、小日向さんと會長が、時をさかのぼる感動的なご縁でつながっているとは、會長も丁稚もまだ想像していませんでした。

 

(続く)