書評者と著者と読者の本屋「松原商會」@PASSAGE by ALL REVIEWS のBlog

社会経済学者・松原隆一郎(放送大学教授、東京大学名誉教授)と丁稚が営む、書評と書評された本と読者をつなぐ一棚書店

#23 2023年の松原商會をふりかえる

今日は大晦日。松原隆一郎會長が店の様子を見に自転車でキコキコやってくると、丁稚がせっせと棚の本を一冊一冊拭いています。 會長:大掃除がんばってるね。僕の地元、阿佐ヶ谷の「うさぎや」でどら焼き買ってきたよ。一息いれよう。 丁稚:わーい。コーヒ…

#22 「限界ニュータウン」問題はほっとけば解決できるのか/『限界ニュータウン』著者・吉川祐介さん、いらっしゃい【8/全12回】

『限界ニュータウン』(太郎次郎社エディタス) ほったらかしにされて出現した限界ニュータウン。荒廃し、ぽつりぽつりとしか使われていないこの土地は、どうにもしようがないまま今に至ります。どうにもしようがないままでいいのでは、という意見について吉…

#21 「 限界ニュータウン 」はキャンプ場にすればいいのでは?/『限界ニュータウン』著者・吉川祐介さん、いらっしゃい【7/全12回】

『限界ニュータウン』(太郎次郎社エディタス) 「書評者(=松原商會會長・松原隆一郎(社会経済学者))」と「書評された本の著者」と「読者」を双方向コミュニケーションでつなぐ書店「松原商會」。 ウチの會長が毎日新聞で書評し、「2022年この3冊」に…

#20 吉川祐介さんにとって「書くこと」とは/『限界ニュータウン』著者・吉川祐介さん、いらっしゃい【6/全11回】

吉川さんのブログや本を読まれた方はご存じのとおり、吉川さんの文章には独特の味があります。この文章力はどうやって培われたのでしょう。今回は、吉川さんに「書くこと」についていっぱいお聞きしました! 「吉川さんは町田康のようです。」(松原隆一郎會…

#19 「都市計画の元の資料ってどうやって調べるの?」…「限界ニュータウン」調査方法を吉川祐介さんに教えてもらいました!/『限界ニュータウン』著者・吉川祐介さん、いらっしゃい【5/全11回】

吉川さんが見せてくださった分譲地の新聞広告(どんなインチキ広告かは「#17 「健康を保証する緑の高台」「お子様の成長とともに鯉のぼりのごとく値上がりする土地」…「分譲地インチキ広告」を吉川祐介さんと一緒に味わう/『限界ニュータウン』著者・吉川祐…

#18 「YouTubeや本で地名を出すか、出さないか問題」について吉川祐介さんに聞きました/『限界ニュータウン』著者・吉川祐介さん、いらっしゃい【4/全11回】

吉川祐介さんのYouTubeチャンネル「資産価値ZERO -限界ニュータウン探訪記-」のスクリーンショット 『限界ニュータウン』著者・吉川祐介さんの「限界ニュータウン」についての発信は、ブログ「URBANSPRAWL-限界ニュータウン探訪記-」から始まり、ファンがど…

#17 「健康を保証する緑の高台」「お子様の成長とともに鯉のぼりのごとく値上がりする土地」…「分譲地インチキ広告」を吉川祐介さんと一緒に味わう/『限界ニュータウン』著者・吉川祐介さん、いらっしゃい(3 / 全11回)

吉川祐介さんに「限界ニュータウン」新聞広告を見せていただく松原隆一郎會長 「無公害」がセールスポイントになった70年代 吉川 この広告は、どんなことを売りにして販売してたか、とか見ていくとおもしろいです。今みたいに立地のみじゃなくて「無公害住宅…

#16 「新聞縮刷版」を調べるのに発狂寸前……『限界ニュータウン』著者・吉川祐介さん、いらっしゃい(2/全11回)

松原隆一郎會長(左)から著書『頼介伝』をプレゼントされてしまった吉川祐介さん(右) カルチャーセンター、大学などから講義依頼が次々に 丁稚 ところで、今夜(4月26日)から始まるNHK文化センターの講座の聴講者は何人くらいですか? 吉川さんの講義情…

#15 『限界ニュータウン』著者・吉川祐介さん、いらっしゃい【1回目/全11回】

松原商會オリジナル特典を付けた『限界ニュータウン』を手に、著者・吉川祐介さん(左)と松原隆一郎會長(右)( PASSAGE by ALL REVIEW 内の松原商會の棚の前にて) 【このおしゃべりは、2023年4月26日に東京・神田神保町にて行われました。】 * 丁稚 本…

#14 書き手は「書けないとき」どうなるか

松原隆一郎會長がキコキコ自転車で出勤すると、店の前にホウキ片手に仁王立ちの丁稚が。 會長「丁稚、店の前でシーサーみたいな顔してどうしたの? 松原商會の魔除けも担当するの?」 丁稚「會長、昨日お店あけたまま帰ってましたよ。店の前に本も出したまん…

#13  「みぞれ羹」と、「燃える闘魂・アントニオ猪木展」最終日閉場30分前

松原隆一郎會長、今日もキコキコ自転車で松原商會にご出勤。 會長「おはよう、丁稚。お客さんは来たかい?」 丁稚「會長、おはようございます。モグモグ。お店のお客さんはいつも通り来ませんが、會長のお客さんがいらっしゃいました。モグモグ。」 會長「お…

#12  「本は敵」と言う松原隆一郎會長の、「敵じゃない本」

# 読書好きな人とつながりたい # 本好きさんとつながりたい ―― Twitter(Xのこと。以下、同じ)に流れてくる、本LOVE系ハッシュタグ。 松原商會のTwitterでも使ってみたい。 でも、松原隆一郎會長、「本は敵」って言ってるから( 詳しくは「#5 「本は敵」と…

# 11 東京大学柔道部「半世紀ぶりの七大戦優勝」を果たせなかった部長と、「七大戦2連覇」を果たした「名もなき選手」の時空を超えた出会い

(「小日向さんのこと」その1、その2、その3、その4もお楽しみください!) 東大柔道部長として最後に挑む七大戦(国立七大学が戦う柔道戦)で「半世紀ぶりの東大優勝」を十中八九手にしたと確信しながら、ありえない理由で達成できなかった松原隆一郎會…

# 10 「謎の上得意さま・小日向さん」のお父さんの正体に、會長平常心を失う

小日向さん(小日向さんについては、「小日向さんのこと その1」からお読みください!)が、関西の地からオンラインでお買い上げくださった、松原隆一郎會長の著書『経済思想入門』(ちくま学芸文庫)が届いたことをDMでお知らせくださったとき、2枚の写真…

# 9 「謎の上得意さま」が突然、「神戸の旅」に連れてってくれました

突然現れた松原商會の上得意様「小日向さん」が松原隆一郎會長の著書『経済思想入門』(ちくま学芸文庫)をお買い上げくださってしばらくたった頃、小日向さんからTwitterを通して一枚の写真が届きました。 おかげさまで、Passageから約700キロでも読書させ…

#8「謎の上得意さま」の「意外な素顔」

謎の上得意さま、「小日向よしお」氏。 とうとう松原隆一郎會長の著書『経済思想入門』(ちくま学芸文庫)を予約までしてくださることに、會長も丁稚も恐怖がピークに。 會長は、阿佐ヶ谷を自転車でキコキコ走ってても、変な人がついてきてないか立ち止まっ…

#7 謎の人物「小日向よしお」あらわる

松原商會が開店して一ケ月程たった2022年4月。そのころ松原商會は、「経済学を学び始める君へ 松原隆一郎より」という、會長の柄でもないまじめなテーマで會長の経済学関係の著書を売っていました。 そんなある日、「小日向よしお」を名乗る謎の人物から、次…

#6 シェア型書店PASSAGEで「人気の棚」になるために実行した「6つの作戦」

第一回テーマ「「大正、戦前戦中、戦後と『松原頼介が見た日本経済』」から、さっそく閑古鳥が鳴いている松原商會。 ほかの書評家の方たちの棚は、棚主の方のサイン付き著書が飛ぶように売れている様子。それはそうでしょう!著者から直接買える本屋さんなん…

#5 「本は敵」と思ってる人がシェア型書店に棚を持つ場合

2022年2月27日、開店当日の松原商會があるPASSAGEの風景。まだ空いている棚がちらほら 「僕、いらない本なんてないよ。」(松原隆一郎會長) 松原商會の開店作業を終えた松原隆一郎會長と丁稚は、ほかの棚にはどんな本が並んでいるか、ちょっと視察。 みなさ…

# 4 シェア型書店PASSAGEで、さっそく浮く。

「(だいたい)毎月テーマを決めて、テーマに沿った本を売っていこう」と決めた、松原商會。 そして、松原商會が中心にしていきたいのは、「松原隆一郎會長と一般の人のコミュニケーションの場」をつくることでした。 松原會長は長らく本を書き、書評を書い…

# 3 松原商會の船出まで その2 ―3分 de『頼介伝』

2022年2月27日、開店当日の松原商會。一見、よくわからないラインナップ 「(だいたい)ひと月ごとにテーマを決めて本を売っていこう」と決めた松原商會。 最初のテーマは「大正、戦前戦中、戦後と『松原頼介が見た日本経済』」。 松原商會の店名は、會長の…

# 2 松原商會の船出まで その1

色を塗るなら絵の具が必要。丁稚はずっと絵の具を買ってみたかった銀座の月光荘さんにはりきって出かけました。店員さんにこの會長顔(画・ラズウェル細木さん)を見せながら選んだ絵の具と筆とパレットで、會長の写真を見ながら実際に持っている服の色に合…

# 1 松原商會@PASSAGE by ALL REVIEWSのブログを始めます

2022年2月27日オープン時の松原商會の棚。字は松原隆一郎會長の手書きです。 ご挨拶と自己紹介 みなさま、こんにちは。松原商會と申します。 松原商會は、「書評者と、書評された本の著者と、読者をつなぐ本屋」です。東京の神田神保町にある、鹿島茂さん(…