書評者と著者と読者の本屋「松原商會」@PASSAGE by ALL REVIEWS のBlog

社会経済学者・松原隆一郎(放送大学教授、東京大学名誉教授)と丁稚が営む、書評と書評された本と読者をつなぐ一棚書店

# 4 シェア型書店PASSAGEで、さっそく浮く。

「(だいたい)毎月テーマを決めて、テーマに沿った本を売っていこう」と決めた、松原商會

そして、松原商會が中心にしていきたいのは、「松原隆一郎會長と一般の人のコミュニケーションの場」をつくることでした。

松原會長は長らく本を書き、書評を書いてきたわけですが、どちらも一方通行の行為。本や書評を読んだ人たちとコミュニケーションの場をつくりたいな、と丁稚は考え、その手段の一つとして、會長の「コメントカード」を本に必ず付けることにしたのです。

オープン当日。付録の準備が間に合わなかった丁稚は、すずらん通りのドトールで會長と待ち合わせて、『細雪』や『華麗なる一族』など棚に並べる本に會長コメントカードを切ったり貼ったりする作業を會長に手伝ってもらいました。

會長のほうが作業が早い。「あなたは無駄な動きが多いんですよ」(會長)

棚に置く本すべてに會長コメントカードを貼り終えて、急いでPASSAGEへ搬入に。

松原商會は、店を入ってすぐ右側の目線よりちょっと上の棚。

持参した巨大會長顔POPを「きれいにはがせる両面テープ」で棚のふちに貼ります。

松原商會のだいじな看板。

そして、『頼介伝』と、會長が書いてくれたコメントカードをいっぱい貼った関連本たちを、せっせと並べます。會長の近著『荘直温伝』も。

松原商會、船出の日。丁稚に指示されポーズをとる松原隆一郎會長

生まれたばかりのPASSAGE店内は、フランス文学者の鹿島茂さんによるプロデュースなだけあって、シックでお洒落。

松原商會の巨大會長顔POPが店の雰囲気をぶち壊しています。

「目立ってなんぼじゃ。」

頼介さん(頼介さんについてはこちらをお読みください。)の声が丁稚には聞こえたので、雰囲気をぶち壊していることには気づかないふりをしてそれから数カ月を乗り切りました。

(そのおかげか、日経新聞さんに大きく写していただいてました!)

www.nikkei.com

店開きを終えた丁稚は、ほかの棚を視察。文学系の本が多いかんじ。どの棚も「本が好きな人」が棚主さんであることが伝わってきました。

というか、本が好きな人しかいないはずの空間に、何を間違ったか本が「好き」ではない會長と丁稚が、山から出てきたオオカミとタヌキのように、所在なく立ち尽くしていました。

文化的雰囲気に落ち着かないオオカミとタヌキはそそくさ退散。それぞれの山へと帰っていきました。